プログラミングの世界には、初心者でも「これって便利!」と感動できる仕組みがたくさんあります。
その中でも、今回ご紹介する「クラスの継承」と「メソッドのオーバーライド」は、スマホアプリ開発をもっと効率的に、そして自由に楽しむための重要なテクニックです。
たとえば、私たちが使うスマホアプリの多くは、共通の基本機能を土台にして、さまざまな機能を追加して作られています。
これは、いわば「親から子へ知恵や技術が受け継がれる」ようなもの。
初心者にとっては少し難しそうに思えるかもしれませんが、実は仕組みさえ理解すればとてもシンプルで、応用の幅がぐっと広がります。
この記事では、そんな「継承」と「オーバーライド」を初心者の方にもわかりやすく解説していきます。実際にFlutter/Dartでの例も交えながら、アプリ開発の楽しさをお伝えできればと思います。
もくじ
クラスの継承とは?
クラスの継承は、すでに存在するクラス(親クラス)をベースにして、新しいクラス(子クラス)を作る仕組みです。
この仕組みを使うと、親クラスが持つメソッドやプロパティをそのまま利用できるため、ゼロから作る必要がなく、効率よく開発を進められます。
たとえば、「車」という親クラスを継承して「トラック」という子クラスを作る場合、トラッククラスは特別な記述をしなくても、車クラスに定義されている「走る」「止まる」「曲がる」といった機能をそのまま使うことができます。
これにより、共通部分を親クラスにまとめ、子クラスで必要な部分だけを追加することが可能になります。
イメージ: 家系図のように、親から子へ特徴が引き継がれていく感覚です。
メソッドのオーバーライドとは?
継承したクラスでは、親クラスが持つメソッドの内容をそのまま使うこともできますが、場合によっては一部を変更したいことがあります。これを「オーバーライド」と言います。
たとえば、親クラス「車」の「走る」メソッドでは時速80kmで走る仕様だったとします。
しかし、「トラック」では時速50kmで走る設定にしたい場合、子クラスで「@override」を使ってメソッドを書き換えることができます。この仕組みを活用すれば、基本機能を持ちながら、状況に応じて柔軟にカスタマイズすることが可能です。
親クラスと子クラスの関係
親クラス(先祖)は子クラス(子孫)にプロパティやメソッドを引き継ぎます。
この仕組みのおかげで、子クラスは何も新しく記述しなくても、親クラスの機能をそのまま利用できます。
たとえば、「StatelessWidget」はFlutterでよく使われるクラスですが、これは親クラスとして多くのウィジェットに引き継がれています。
その結果、開発者は共通の機能を簡単に利用できるのです。
ポイント: Flutterのウィジェットシステムも、この継承を活用して効率的に機能を拡張しています。
Flutter/Dartでのコード例
以下に具体的なコード例を示します:
class Car { int speed = 80; void run() { print('時速$speed kmで走っています'); } } class Truck extends Car { @override void run() { speed = 50; // トラックの速度を変更 print('トラックは時速$speed kmで走っています'); } } void main() { var myTruck = Truck(); myTruck.run(); // "トラックは時速50 kmで走っています" と出力される }
Car
クラス(親クラス)は共通のプロパティやメソッドを持っています。Truck
クラス(子クラス)は、Car
クラスを継承し、run
メソッドをオーバーライドしています。- 親クラスの
run
メソッドは時速80kmですが、子クラスでは時速50kmに変更されています。
クラスを使うメリット
クラスの継承やオーバーライドを使うことで、以下のようなメリットがあります:
- コードの再利用性向上: 同じコードを何度も書く手間を省けます。
- 拡張性の確保: 必要に応じて機能を追加・変更しやすくなります。
- 管理のしやすさ: 共通部分を親クラスにまとめることで、コードの可読性と保守性が向上します。
初心者の方にとっては少し難しく感じるかもしれませんが、親クラスと子クラスの関係を「家系図」に例えるとイメージしやすくなります。
次のステップ:Flutterでクラスを学ぶなら「みんプロ式」
ここまで読んで「継承とオーバーライドって面白そうだけど、実際にどうやって学べばいいの?」と思われた方もいるかもしれません。
そんな初心者の方におすすめなのが、スマホアプリプログラミング講座「みんプロ式」です。
この講座では、FlutterとDartを使ったスマホアプリ開発を、初心者にもわかりやすいステップバイステップ形式で学べます。
特に、実際のアプリを作りながら学ぶ実践的な内容なので、「学んで終わり」ではなく、「成果を実感できる」講座です。
プログラミング未経験の方や、過去に挫折した方でも安心して学べる環境が整っています。
「自分でもアプリが作れる!」という達成感を、ぜひ一緒に味わいましょう。