ご存知のように、プログラミングとはコンピューターというデジタル機器でやるわけですから、「デジタル」な力であると思っておられる方が大半かと思いますが、実はプログラミング力の根幹とは「アナログ」なのです。
これは、ぼくがAndroidでゲームを作り始めた頃のことですが、その時に、今でもぼくにとってバイブルのような存在になっている「Beginning Android Games(邦題:AndroidゲームプログラミングAtoZ)」という本に出会いました。
この本の作者であるMario Zechner (難しくて読めない、、、)と言う人は、ご存知の方もいるかもしれませんが、javaでAndroidとiphone両方のアプリが作れるライブラリで、ぼくも使わせてもらっている「libGDX」を作ったプログラミングの天才です。
その天才であるMarioが、この本の中で何を言ったのか。それは何と「ゲームを作るためにはまず紙とペンを持とう」ということだったのです。いきなりキーボードでコードを打つのではなく、「まず自分が作りたいゲームの設計図をしっかり紙に書け」と。
これはぼくにとってかなり衝撃的でした。キーボードを使ってコードが書けるだけでは、アプリ(含むゲーム)を作れるようになるわけではない、ということなんですね。
つまり、「こういうアプリを作りたいからプログラムミングでコードを書いて」と人から言われたものを作ることと、「そもそも作りたいアプリの設計図を自分で作ってからコードを書く」こととは全然違うわけです。
これを音楽の世界で例えると、「与えられた曲を歌うだけの歌手」と「自ら曲も作るシンガーソングライター」の違いでしょうし、また料理の世界で例えれば、「与えられたレシピ通りの料理を作る」ことと「レシピそのものを考える」ことの違いであると。
この「レシピそのものを考える力」というのが、ぼくたちの考える「プログラミング力」なのです。
もちろん、プログラミングはコーディングを伴いますから、コーディングは出来なければいけない。しかし、「コーディング力」だけではダメで、「設計図を作る力」との「車の両輪」であるということなのです。
従って、ただ言われたものをコーディングするだけではなくて、アプリを作れる「シンガーソングライター」になるためには、実は「アナログな力」、つまり「紙とペンを持って、自分の作りたいアプリの設計図を書く力」というのがものすごく大事になってくるというわけなのです。
ぼくたちの講座では「スマホアプリを作るためのホップ・ステップ・ジャンプ」と称して、3ステップでアプリを作ることをご案内しています。そして、実はその最初の「ホップ」の段階で「どんなアプリを作りたいか紙に書く」ということをやって頂いているのです。
これがものすごく大切だと考えており、その目的がまさしく、「ただの歌手」ではなくて「シンガーソングライター」になってもらうためなのです。
この「シンガーソングライター」になるということが、まさに「新しいものを生み出す」ということであり、ぼくたちは講座を受けて頂く方にこの力を身につけて頂きたいと考えています。
つまり、ただ言われた設計図に従ってプログラムを作るだけではなくて、「そもそも何を作るのか」ということから考えられる人になってもらいたい。
これがまさに、これからは「こたえがない時代」と言われていて、自分でこたえを考えて、自分で行動して新しいものを生み出していかないといけない時代において、必要な力になってくるわけで、それは実は「アナログな力」なのです。
ですから、ぼくたちはコーディングだけではなく、この「新しいものを生み出すための『アナログな力』」も一緒に伸ばしていける講座にしたい。そんな想いで「みんプロ式」をやっているわけであります。