街を歩いていると、「こんなべっぴんな女の人になんでこんなブサイクな男がついてるねん」という、いわゆる「美女と野獣」的なカップルをたまに見かけることがあります(ぼくに言われたくないですよね)。
なぜ、そのようなことが成立するのか。
一般的には「見た目が9割」という本も出ているくらいに見た目が大事だと言われていて、女性はきれいでかわいくある必要があるし、男も男前でないと話もしてもらえない。
また、会社もウェブサイトの見た目をきれいにしておかないと、中身すら見てもらえないと言われるくらい、ぼくも含めて「見た目重視」の世の中です。
そんな状況でありながら、では、なぜ「美女と野獣」的なカップルが成立するのでしょうか。
これは、ぼくがまだいたいけな少年だった頃の、「ドラマと言えば『月9』」といわれるくらい「月9」ドラマが隆盛だった、今では考えられない時代の話です。
その当時に、「あぶない刑事(知らんかな~?)」の浅野温子と、今度「水戸黄門」をやる武田鉄矢(金八先生)が共演した「100回目のプロポーズ」という大ヒットドラマがありました(このドラマの主題歌を歌っていたのが、最近すったもんだのあった「チャゲ・アス」だったのですが、、)。
このドラマは、浅野温子さん扮する「美女」と、武田鉄矢扮する「野獣」との間に恋が芽生えるという話なのですが、このときにどうやって「野獣」である武田鉄矢は、浅野温子という「美女」を射止めたのか。
ここで出てくるのが、30年近く経った今でも語り継がれている名場面です。
大通りのど真ん中で、ダンプカーが突っ込んでくるところを武田鉄矢が飛び込んで止めて、浅野温子に向かって「僕は死にましぇ~ん」というその年の流行語大賞にもなった名セリフを叫んだシーン。
そんなシチュエーションが現実にほんまにあるんかと、ツッコミを入れたくはなりますが、「野獣」である武田鉄矢が、「美女」である浅野温子に、自分の本気の想いを伝える。
ダンプカーに突っ込んで、死ぬ覚悟で自分の想いを本気で伝えたら、何とビジュアルという「ワザ」を超えて、「野獣」が「美女」のハートを射止めることが出来たというわけなのです。
つまり、ビジュアルという「見た目」も大事ですが、それ以上に「熱意」というか「本気度」というか、そういう「熱い想い」の方に、人間というのは心を動かされることがあるということですね。
これこそが、「美女と野獣」的なカップルが生まれるカラクリなのだろうと思います。
これは、ビジュアルでは勝負できないぼくたちにとって、なかなか勇気のもらえる話であります。