現代は「ストレス社会」と言われるくらいですから、仕事からプライベートまで日々いろんな心配ごとを抱えて生きている人が多いと思います。
ぼく自身も、もちろん例外ではありません。
会社をやっていますから、経営がうまくいかなかったらどうしようとか、よめの機嫌が悪かったらどうしようとか、こどもがかんしゃくを起こしたらどうしようなど、心配ごとをあげたらキリがありません。
では、人はなぜこうも色々心配し、悩むのでしょうか。
実は、「心配」や「悩み」は、今目の前で起こっていることではなくて、これから起こるかもしれない「将来」に関するものがほとんどです。
「将来」起こるかもしれないことが、自分にとって不都合な結果になるかもしれないことを心配し、悩んでいることがほとんどなのです。
つまり、心配ごとを抱えるというのは、まだ起こってもいないことを想像して、心が満たされない状態になっているということなのです。
では、心配ごとを流すことができるのでしょうか。
実は、その秘訣が「深呼吸」と「感謝」なのです。
人は、心配ごとを抱えている時は、心も体もあくせくしていることが多いです。そして、あくせくしている時は、たいてい呼吸が乱れ早くなっています。
心配ごとは「心」の問題ですが、まずその「心」を落ち着けるために、あくせくしている「体」を落ち着ける必要があります。「深呼吸」は、あくせくしている「体」を落ち着けてくれる効果があります。
そのとき、心配ごとが浮かんでくることがありますが、それは無視して呼吸だけに意識を向けるようにします。
そうすると、自分の意識の重心が、胸のあたりから、だんだんとお腹のところ(丹田)まで降りてくるのがわかります。まずはこれで、上ずってあくせくしていた「体」を落ち着けましょう。
「深呼吸」で「体」を落ち着けたら、つぎに行うのが「感謝」です。
では、何に「感謝」するのか。
それは、「今あなたが存在していること」にです。
人は自分一人で生きていけるものではありません。両親や家族・友人を始め、いろんな人との関わりや支えを受けて生きているのです。
これは一人暮らしの人であろうが、家族のある人であろうが変わりません。
かの稀代のお笑い芸人である明石家さんまさんの名言に「生きているだけで丸儲け」という言葉がありますが、まさにその通りなのです。
国に不満があっても、国の提供してくれる色んな行政サービスのおかげで、日本で快適な暮らしが送れているのです。
会社に不満があっても、会社が自分の労働に対価を払ってくれるからこそ、お金を出して自分の欲しい「モノ」が買えるのです。
そして、お金を出して自分の欲しい「モノ」が買えるのも、それを作ってくれる人がいるからです。
心配ごとは、まだ起こっていない将来のことを思い煩うことによって起こる「心」が満たされない現象です。
「感謝」は、「今」あなたがどれだけ満たされているかを気づかせてくれます。意識を「将来」ではなく「今」に向けることで、心配ごとを流すことができるのです。
今出来る「感謝」というものは、あなたが将来に抱いている壮大な夢や目標からすれば、ほんの些細なことかもしれません。
しかし、どんなに大きなことも小さなことの積み重ねで成り立っています。足元の小さなことを大切にすること、つまり「今」を大切にすることが大きなことを達成することにつながるのです。
どんな山も一歩一歩なのよ。 一歩、一歩、足を前に運びさえすれば、8000mの山だって登れるのよ。
(女性として始めてエベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子さんの名言)
「感謝」は、「今」を大切にする意識をもたらせてくれます。
ぼくも最初は懐疑的でした。でも、続けてみたら効果絶大でした。
これなら1円もかからないし、カウンセラーも要りませんよ(笑)。