FlutterのプロジェクトをAndroidアプリとして動かす時に、ビルド時に使用するAPIレベル(AndroidのOSのバージョン)のことを「compileSdkVersion」を言い、android/app/build.gradleファイルに設定されています。
この「compileSdkVersion」は、2021年12月段階ではデフォルトで「30(=Android11)」に設定されていますが、これを「12(=Android12)」に設定しないといけない場合があります。
しかし、そうすると、ビルド時にこんなエラーが出てAndroidアプリとして動かせない場合が出てきます。
Apps targeting Android 12 and higher are required to specify an explicit value for `android:exported` when the corresponding component has an intent filter defined.
もくじ
Android12以降はマニフェストファイルで「android:exported」の設定が必要
このエラーが出た場合は、以下の要領でマニフェストファイル(AndroidManifest.xml)の「activity」タグ内で、「android:exported = “true”」を設定すれば、通常であれば解決すると思います。
これは、Androidのセキュリティ強化策の一環で、端的に言うと、Androidでは「インテント」という仕組みを使ってアプリ間の連携を取ることができますが、その際に他のアプリから自分のアプリを開くことができるかどうかについて、Android12(APIレベル31)以降は「android:exported」属性で明示的に設定させるようにしたということのようです。
コンポーネントのエクスポートの安全性を改善
Android 12 以降をターゲットとするアプリに、インテント フィルタを使用するアクティビティ、サービス、またはブロードキャスト レシーバが含まれている場合は、それらのアプリ コンポーネントで
android:exported
属性を明示的に宣言する必要があります。https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-12?hl=ja#exported
自分のプロジェクトのマニフェストファイルだけではなくて、使っているプラグインのマニフェストファイルにも必要
ところが、これにはちょっとした落とし穴があって、この「android:exported
」を指定する必要があるのは、自分のプロジェクト内にあるマニフェストファイルだけではなくて、プロジェクトで使っているパッケージ(ネイティブ側とアクセスできる「プラグイン」)にもインテントフィルタ付きのマニフェストファイルがある場合には、そのパッケージ(プラグイン)のマニフェストファイルでも設定が必要になるということです。
例えばFlutterでBGMを流すことの出来る「assets_audio_player」という便利なパッケージがありますが、これの2021年12月時点での最新版(3.0.3+6)では、以下のようにブロードキャストレシーバーのところで「android:exported
」が抜けているので、この場合はcompileSdkVersionを31に設定することはできないので注意が必要です。
ですので、現時点(2021/12)では、Flutterのプロジェクトを作った際のデフォルトのcompileSdkVersionは「30」になっているので、必要に迫られない限りは「30」のままで問題ないかと思います。
(詳しくは、以下の動画で解説していますので、よろしければご覧下さい)