前回「受験と21世紀型教育というのは、そもそも矛盾する」というような話をすると、やっぱり「お前は受験否定論者か」と言われたりするわけですが、そんなことはありません。
そんなことはないのですが、ただ、いずれにしろ今のままはマズい。今の偏差値教育の仕組みのまま大学入試を続けるのは本当にマズい。
それは明らかに国力を衰退させてしまうので、「ダメだった」ということをお上が自ら認めているわけです。だから、変わらないといけない。
ただ、「変わらないといけない」というのは、教育手法をいろいろ変えて、子供をあの手この手で変えてやろうということよりも、大人がまず変わらないといけないということだと思います。
会社でも改革を起こそうと思ったら、まず社長から始めないといけないことと同じで、ぼくも自分のことは全く言えませんけれども、ぼくも含めて大人全体が、これから世の中を良くするように変わっていかないといけない。
そういう意識を子供ではなく、まず今のこの世の中を作った大人たちが持たないと、日本の国力というのは、どんどん落ちていくことになるのでしょう。
いずれにしろ、今の時代というのは時代の変わり目ですから、今まで当たり前と思っているシステムとか既存の概念とかを1つ1つ再点検していかないといけない。
そして、その最たるものというのが、東大・京大を頂点として、それに学習塾が山のように群がっている「受験システム」ですよね。
これはやっぱりメスを入れていかなあかんということなのでしょう。そうせなアカンという風にお上自らが言っているわけです。
ですから、この大学入試改革の事の顛末がこれから色々起こってくると思いますが、どういう人達がどういう理屈で抵抗し、どういう人達がどういう理念で推進するのか。
それを見ておくと、誰が時代を先走っていて、誰が足を引っ張っているのかがよくわかると思います。
これから2020年にかけて、いろんな動きが出てくるでしょうけれども、この大学入試改革を本気で推進するのであれば、まず東大・京大がどう変わるのか。
東大・京大がそっぽ向いてしまったら、この改革はどうにもなりません。なんだかんだ言って、今でも東大・京大に生きたい受験生が多いわけですから。
しかし、この東大・京大が変わっていけば、ものすごいことが起こる可能性が出てくるわけです(受験システム・受験産業に大激震が走る可能性あり)。
ですので、この改革をどこまで本気でやろうとしているのかわかりませんが、これが本当にうまく行けば、非常に良いことではないかと個人的には思っています。